さて、今回は、特許の話です。
先日、お客さまと、特許の打ち合わせをしました。
ビジネスモデル特許ということでした。
特許の経験がほとんどない方で、
ビジネスモデル特許のお話しを持ってきて頂く場合、
最初から出願にまで至るケースはほとんどありません。
ビジネスモデル特許というのを
理解していないケースが意外と多いです。
まあ、実務でやってなければ、普通、分かりませんよね?
ビジネスモデル特許というのは、文字通り、
「ビジネスモデルの中で、特許が取れたもの」です。
そんなん当たり前やろ~!と、突っ込みが入りそうですが、
本当のことなんです。
ビジネスモデル特許を理解するには、
ビジネスモデルを理解する必要があります。
ビジネスモデルって何でしょうかね?
ビジネスモデルっていうのは、利益を得るための商売の仕組みですよね。
カレー屋さんだったらどうでしょう?
食材を仕入れ、調理して、お客さんに提供することにより、
利益を得るのが、一般的なビジネスモデルと言えるでしょう。
また、小売りには小売りのビジネスモデルがあり、
サービス業にはサービス業のビジネスモデルがあります。
じゃあ、それらすべてのビジネスモデルが、
特許の対象となるんでしょうか?
いえいえ、すべてが対象となる訳ではないんですよ。
すべてのビジネスモデルの中で、
特許の対象となるビジネスモデルは限られているってことです。
この点で誤解していらっしゃる方が、かなり多いです。
ビジネスモデルは数多くあれど、そもそも特許の対象となる
ビジネスモデルはその中の一部だってことを知っているだけでも、
大きな前進といっていいでしょう。
なら、どんなビジネスモデルが特許の対象になるんでしょうか?
答えは、「コンピュータが絡んだビジネスモデルのみ」
が対象になるということです。
普通のカレー屋さんは、コンピュータが出てこないから、
特許の対象にはなりません。
念のために言っておきますが、カレー屋さんの仕組みは
ビジネスモデルではあるんですよ。
でも、特許の対象となるビジネスモデルではないということです。
カレー屋さんで、特許の対象となるビジネスモデルに
するというのであれば、こんな感じでしょう。
食材にICタグが付いていて、仕入れと同時に、
お店の読み取り器でICタグの情報を読み取ります。
また、調理場の湿度や温度がセンサーによって計測されます。
そして、ICタグから読み取った情報や、
調理場の湿度や温度の情報を基にして、
自動的に最適な温度・調理時間が計算されます。
さらに、その最適な温度・調理時間に基づいて、
火が自動調整され、フライパン振動器が、
フライパンをプロ並に振動させます。
カレーができあがると、食券の席情報をもとに、
カレー皿がベルトコンベアで運ばれます。
まあ、こんな感じです。
ビジネスモデル特許の相談というと、
そもそも特許の対象とはならないビジネスモデルについて、
特許がとれませんかね~というものが結構多いです。
ビジネスモデルについて特許が取りたいという場合、
コンピュータによる処理が絡んでいるかどうか、
気を付けてみてくださいね。
それでは、また次回。
ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔
業界初の”エンタメ系”実践特許術!
「特許専門の弁理士が、あなただけにコッソリ教える実践特許6つの秘訣!」PDF A4:53ページ