第23回:そもそもビジネスモデル特許って何?

さて、今回は、特許の話です。
先日、お客さまと、特許の打ち合わせをしました。
ビジネスモデル特許ということでした。
特許の経験がほとんどない方で、
ビジネスモデル特許のお話しを持ってきて頂く場合、
最初から出願にまで至るケースはほとんどありません。

ビジネスモデル特許というのを
理解していないケースが意外と多いです。

まあ、実務でやってなければ、普通、分かりませんよね?

ビジネスモデル特許というのは、文字通り、
「ビジネスモデルの中で、特許が取れたもの」です。

そんなん当たり前やろ~!と、突っ込みが入りそうですが、
本当のことなんです。

ビジネスモデル特許を理解するには、
ビジネスモデルを理解する必要があります。

ビジネスモデルって何でしょうかね?

ビジネスモデルっていうのは、利益を得るための商売の仕組みですよね。
カレー屋さんだったらどうでしょう?

食材を仕入れ、調理して、お客さんに提供することにより、
利益を得るのが、一般的なビジネスモデルと言えるでしょう。

また、小売りには小売りのビジネスモデルがあり、
サービス業にはサービス業のビジネスモデルがあります。

じゃあ、それらすべてのビジネスモデルが、
特許の対象となるんでしょうか?

いえいえ、すべてが対象となる訳ではないんですよ。

すべてのビジネスモデルの中で、
特許の対象となるビジネスモデルは限られているってことです。
この点で誤解していらっしゃる方が、かなり多いです。

ビジネスモデルは数多くあれど、そもそも特許の対象となる
ビジネスモデルはその中の一部だってことを知っているだけでも、
大きな前進といっていいでしょう。

なら、どんなビジネスモデルが特許の対象になるんでしょうか?

答えは、「コンピュータが絡んだビジネスモデルのみ」
が対象になるということです。

普通のカレー屋さんは、コンピュータが出てこないから、
特許の対象にはなりません。

念のために言っておきますが、カレー屋さんの仕組みは
ビジネスモデルではあるんですよ。

でも、特許の対象となるビジネスモデルではないということです。
カレー屋さんで、特許の対象となるビジネスモデルに
するというのであれば、こんな感じでしょう。

食材にICタグが付いていて、仕入れと同時に、
お店の読み取り器でICタグの情報を読み取ります。
また、調理場の湿度や温度がセンサーによって計測されます。

そして、ICタグから読み取った情報や、
調理場の湿度や温度の情報を基にして、
自動的に最適な温度・調理時間が計算されます。

さらに、その最適な温度・調理時間に基づいて、
火が自動調整され、フライパン振動器が、
フライパンをプロ並に振動させます。

カレーができあがると、食券の席情報をもとに、
カレー皿がベルトコンベアで運ばれます。

まあ、こんな感じです。

ビジネスモデル特許の相談というと、
そもそも特許の対象とはならないビジネスモデルについて、
特許がとれませんかね~というものが結構多いです。

ビジネスモデルについて特許が取りたいという場合、
コンピュータによる処理が絡んでいるかどうか、
気を付けてみてくださいね。

それでは、また次回。

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔

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