第505回:特許のためのアイデアの分解とは?

今回も、アイデアの小口化のお話し。

前回、アイデアを小口化する、
というお話をしました。

まずは、アイデアごとに“構成”を分けて、
その“構成”ごとの効果を
客観的に認識したいね(^○^)

よくあるのが、
“これは、今までに無いもので、
小さく折り畳めて、軽くて、
携帯できて、それでいて丈夫なんです“

というように、いろんなメリットを
合わせて認識していること(*_*)

もちろん、最初から構成をしっかりと分けて
認識するのは難しいので、
最初は、合わせて認識していてもOK。

ただし、次のステップとしては、
ちゃんと構成を分けて認識することが
必要になってきます(^_^)b

前回の腕時計の例で言うと、
こんな感じ。

構成としては、
盤面と、バンド部があって、
盤面にはLEDライトが付いていて、
バンド部は、樹脂製で輪になっている
etc

構成ごとに対応する効果はこんな感じ。

(1)
(構成1)
・盤面にLEDライトが付いている。

(効果1)
・盤面が光り、暗いところでも見える。

(2)
(構成2)
・バンド部が輪になっている。

(効果2)
・バンド部の輪に手首を通すことにより、
バンド部を手首に固定することができる。

(3)
(構成3)
・バンド部が樹脂でできている。

(効果3)
・軽い。

腕時計が構成ごとに分けられて、
構成ごとに効果がリンクされていますね。

さて、そのあとにやるべきことは、
“構成”ごとの新しさの認識ですな。

例えば、よくあるのが、
上記(3)の構成と効果のパターン。
バンド部が樹脂でできているので軽い、
というのは、樹脂という素材の効果ですよね。
そもそも、“樹脂というのは軽い”ということは
すでに知られています。

“バンド部に樹脂を使用したので軽い”
というのは、仮に樹脂製のバンド部が
今までになかったとしても、
樹脂というすでに知られた素材の、
すでに知られた効果にすぎません。
こういうアイデアは、特許にはほとんど
寄与しませんね。
進歩性なしってヤツです(>o<)

これが通るのなら、
今までの重い素材を樹脂にしました、
というだけで、なんでも特許になっちゃいます。

なので、(3)の構成&効果の組み合わせは、
一旦切り捨てましょう(ToT)
ここが切り離せなくて、いつまでも、
“とっても軽いんです”
という思考の落とし穴にハマらないように
したいですね。

今回は、(1)LEDライトも、(2)バンド部の輪も、
すでに当たり前のことなので、
伝わりにくいかもしれませんが、
特許になりやすいアイデアは、
いろんな構成&効果の組み合わせで
スゴいんじゃなくて、
切り分けたときの構成&効果の一組みだけで
スゴいということなんです(^_^)b

つまり、柔道で言う“有効”を
コツコツ積み上げていくのではなく、
一発の“技あり”か“一本”が必要ってことですな。

他の小さな部分を切り捨てても、
一本が取れる大技一つありますか?

続きは、また次回。

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●●今回のネオフライト奥義●●

・構成ごとに分け効果をリンクさせよう!
・構成ごとに単品で判断しよう!
・小技ではなく大技を目指そう!

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ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔

 

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