特許の請求項に
機能をたくさん入れれば、
それぞれの機能を
単独で保護できるの?
こういう質問って、地味にあります(^o^)
もうちょっと、質問の意味を明確に
してみますね(^_^)b
例えば、機能aとbがあるとします。
機能aは、緊急メール送信機能。
機能bは、緊急ビデオ通話機能とでも、
しておきましょう(^-^)
機能aだけを単独で特許で守りたく、
また、
機能bも単独で特許で守りたい。
そんな状況ですp(^_^)q
そんなとき、一つの請求項に
機能aと機能bを入れておけば、
機能aだけを単独で保護できて、
機能bだけを単独で保護できるか、
ということですね(^○^)
結論としては、そればできません。
一つの請求項に複数の機能を入れたら、
それぞれを単独では保護できません。
これは、特許の請求項の原理を
知っておけば、理解できますな。
請求項は、ANDの世界です。
例えば、請求項がこんな感じ
だとしましょう。
「
機能Aと、
機能Bと、
機能Cとを
備える情報配信システム。
」
この場合、機能A,B,Cは、
ANDの関係ですから、
これらの機能A,B,Cを
すべて含んだ一つの権利となります。
つまり、このような権利の場合、
競合他社が販売しているシステムが
権利侵害となるには、
機能A,B,Cをすべて含んでいないと
いけません(゜◇゜)
ですので、競合のシステムが、
機能Aだけを含んでいて
機能B,Cを含んでいなかったり、
機能A,Bだけを含んでいたり、
機能A,B,Cのいずれかの機能だけ
を含んでいたりすると、
その競合のシステムは、
その特許の侵害とはなりません(>o<)
侵害にならないということは、
競合他社は、そのシステムを
販売することができる、
ということですね(°0°)
そのため、機能A,B,Cを
それぞれ単独で保護したい場合、
基本的には、別々に出願して
3件の特許にする必要があります。
料金も3倍かかるわけですね(>_<)
まあ、1件の出願にまとめることが
できるケースもマレにありますが、
実際上は、そんなに多くないです。
3件の特許出願というのは、
中小製造業にはかなりの負担です。
ですので、そんなときは、
機能A,B,Cに優先順位を付けて、
優先順位ごとに階層を作り、
1件の出願の中で、
複数の請求項を記載していく
ことが一般的です。
ただし、この場合、
単独で保護できるのは、
一番上に記載された最優先の
機能だけで、それ以外の機能は、
単独では保護できません。
それでも、特許の取得可能性を
上げることはできますので、
中小製造業にとっては、
現実的な策だとは思います(^o^)
続きは、また今度。
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●●今回のネオフライト奥義●●
・一つの請求項はすべて含んだ一つの権利!
・すべての要素を含んで初めて侵害!
・一部の機能だけを含んでも非侵害!
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ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔
業界初の”エンタメ系”実践特許術!
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