こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔です。
さて、今回は、いろんな顔のお話し(^0^)
前回、間接侵害についてお話ししました。
間接侵害っていうのは、
追いかけていくと、結構いろんな問題があります(^Д^)
この辺は、結構おもしろいところでもあります。
ただし、この辺のおもしろさを味わってもらうためには、
前提となるお話しが必要となりますね。
今回は、間接侵害の問題というよりも、
その前提のお話しです(^.^)
理解すべきは、IT系技術の問題かな。
IT系の技術というのは、
いわゆる物の発明とは違った性質がありますね(^_^)b
たとえば、こんな感じ。
●コピーが超カンタン
●サーバーや端末など、装置や処理の分散が容易
●サーパーや端末の分散により、実施形態のバリエーションが多い
●国境を越えるのが容易
そのため、物の発明とは違った保護が求められます。
特許の世界では、IT系の発明の場合、
対象は同じでも、異なるものとして幾重にも表現するのが一般的。
たとえば、こんな発明があるとしましょう。
●「メールを受信して保存するサーバと、
そのサーバからメールを受信する端末と
を備えるメール送受信システム。」
直接侵害の原則からいうと、競合企業が、
「サーバ」と「端末」と「メール送受信システム」
という構成要素のすべてを実施していないと、
侵害にはなりませんでしたね(・o・)
でも、「端末」って、実際には、個人ユーザのパソコンですよね。
個人ユーザは、競合企業とは、あまり関係ないはず(^_^;)
そんな個人ユーザのパソコンを含めないと侵害を問えないというのは、
保護が弱くなりますね(>_<)
もちろん、「端末」を含まなくても、
一部の実施ということで、
間接侵害の可能性はあります(^.^)
でも、間接侵害というのは、権利侵害の例外なので、
適用するための条件をクリアしなければなりません。
それよりも、できるだけ直接侵害を問えるようにした方が、
現実的には権利行使が容易になります(^○^)
なので、こんな表現もプラスします。
●「メールを受信・保存して端末に送信するサーバ。」
こうすると、「端末」がなくても、
「サーバ」だけで、直接侵害となりますね(^o^)
この方が、個人を含めず、競合企業の行為だけで
侵害を問いやすくなります。
さらに言うと、競合企業は、
「サーバ」を製造・販売しない場合もありますよね。
たとえば、単に、メールサービスやプログラムを提供する場合です。
そんなときのために、こんな表現もプラスします。
●「メールを受信・保存するステップと、
メールを端末に送信するステップと
を含むメール送受信方法。」
●「メールを受信・保存するステップと、
メールを端末に送信するステップと
を含むメール送受信プログラム。」
これにより、サーバがメールを送受信するような
「方法」や「プログラム」も保護対象となります(^0^)
今までの表現をまとめてみると、こんなのがありました。
●メール送受信システム
●サーバ
●メール送受信方法
●メール送受信プログラム
これらって、実は、表現は変わってますが、
対象となっている発明は、まったく変わってないんですよね。
言葉の違いだけです(°0°)
ここが特許のおもしろいところで、
目の前の発明はまったく変わらないのに、
言葉を変えるだけで、
いろんな方向から保護が可能になります(・o・)
「多面的保護」なんて言ったりします。
というより、IT系の技術の場合、
実施形態が多様になるので、
視点を変えて、いろんな方向から
権利侵害を問えるようにしておかないと、
競合企業が容易に権利を抜けてしまうんですね。
なかなか奥が深いですな(*_*)
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●●今回のネオフライト奥義●●
・IT系の発明は、実施形態のバリエーションが豊富!
・IT系の発明は、いろんな側面からの保護が必要!
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一つの発明のように見えても、
視点を変えると実は、いろんな顔を持っています。
なので、特許の世界では、それらいろんな顔を
権利範囲となるように表現します。
それは、まるで、ピカソのキュビズムのように。
それでも、IT系の特許には、
いろんな問題をはらんでます。
間接侵害や国境の問題などなど。
次回以降で、これらの問題を紹介しま~す(^▽^)
それでは、また次回。
ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔
業界初の”エンタメ系”実践特許術!
「特許専門の弁理士が、あなただけにコッソリ教える実践特許6つの秘訣!」PDF A4:53ページ