こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔です。
さて、今回は、3D時代の知財のお話し(^0^)
前回、3D時代の個人ユーザーの実施態様を分類してみました。
復習は、こちらです。
今回は、各実施の態様について、
知財権の侵害になるかどうかを検討してみましょう(^_^)b
その前に、注意事項 以下の4つ。
1.知財権という言葉を使います。
知財権(知的財産権)という権利はありませんが、
ここでは、全体を俯瞰して見たいので、
特許権、著作権などをまとめて、「知財権」と言うことにします(^0^)
2.権利者視点にそろえます。
侵害してるかどうかの話しをする場合、
権利者の立場から見て、誰かに侵害されたかどうか、
という権利者視点と、
実施者の立場から見て、権利者の権利を侵害してないかどうか、
という実施者視点がありますね。
これらの視点は、表裏の関係であって、
どちらも事象としては同じことです。
ここでは、実施者視点が少しネガティブな感じがするため、
権利者視点で話しをしま~す( ^o^)
3.知財権の話しに限定します。
実施者の実施が許されるかどうかは、
知財権だけで決まる訳ではありませんね。
例えば、契約などの民法上の権利義務などにも影響されます。
ただし、契約などを含めると、いくらでも話しが広がっちゃうので、
ここでは、知財権の侵害の話しに限定しま~す(^□^)
4.原則→例外の順番をはき違えないこと。
このメールレターで結構お伝えしていますが、
法律は、例外がたくさん入り乱れています(ToT)
しかも、例外は、インパクトがあるため、
不慣れな方は、例外に直接食いついてしまいがち。
これは、判断を見誤ります(゚Д゚)
必ず、原則を認識した上で、こういう場合は例外、
という順番をしっかりと意識しておくことが重要ですな(・o・)
注意事項だけで、こんなに長くなってしまった(・д・)マズイ
これからが、本番です。
個人ユーザーの実施態様は、大きく2種類ありました。
今回は、それら2つのうち、
「1.個人使用の場合」
についてお話しします。
「2.業務使用の場合」は、また今度で~す。
(1)自主制作について
こいつは、発想からモデリングから造形まで、
すべて実施者が行う場合ですね。
つまり、権利者視点としては、
自分が知財権を持っていたとして、
第三者が勝手にその知財権の範囲のモノを作ってしまった、
という状況ですな(・o・)
この場合、原則としては、侵害にはなりません。
例えば、特許権などの場合、
個人使用の場合には権利の効力は及ばない、
ということになっています。
また、著作権の場合、
誰か別の人が作ったモノが先にあったとしても、
自分で考えたモノは、「複製」にはなりません。
なので、「自主制作」の場合、
原則として侵害にはなりません(@_@)
(2)他社利用
(i)他人のモノをマネする場合について
こいつは、実施者が、権利者のモノをマネした場合ですね。
この場合も、原則として、侵害にはなりません(ToT)
例えば、特許権の場合、先ほど言ったように、
個人使用の場合には、マネされたとしても侵害にはなりません。
また、著作権の場合、「複製」にはなりますが、
私的使用の場合の複製は、侵害にはなりません。
ただし、実施者が、マネした3Dデータをアップロードして、
誰にも見れるようにした場合、
こいつは私的使用の範囲を超えるので、
著作権のうちの複製権侵害になりますね。
ちょいと、注意が必要ですな(^_^)b
(ii)流通データを利用する場合について
こいつは、実施者が、権利者のモノの基となる3Dデータを
ダウンロードしてプリントアウトする行為ですね。
この場合、原則として、侵害にはなりません。
何回も言いますが、個人使用の場合、
侵害にはなりませんからね~。
(iii)3Dスキャンなどによる取り込みについて
こいつは、実施者が、権利者のモノを3Dスキャンして、
そのデータをプリントアウトする行為ですね。
この場合も、原則として、侵害にはなりません。
はい、出ました、個人使用です。
ここらで、まとめましょう。
「1.個人使用の場合」
(1)自主制作について
→×(非侵害)
(2)他社利用
(i)他人のモノをマネする場合について
→×(非侵害)
(ii)流通データを利用する場合について
→×(非侵害)
(iii)3Dスキャンなどによる取り込みについて
→×(非侵害)
このように、総じて言うと、
個人使用の場合は、実施者が使用したとしても、
原則、侵害にはならないと思います。
もちろん、例外はありますけどね。
なお、現在の法律は、プリントアウトすることによって、
個人が簡単にモノを造形できる事態を想定していません(゚Д゚)
なので、個人使用の場合の影響が
あまりにも大きくなりすぎて、
経済的損失が無視できなくなったとしたら、
法改正の余地は充分あり得ると思います(゚ω゚)
例えば、下記の場合。
・3Dスキャンしてプリントアウトする行為
・3Dデータが侵害になり得ることを知ってダウンロードする行為
これらの場合、著作権法上の私的使用の例外としたり、
特許の権利が及ぶものとするなどの法改正があるかもしれません。
まあ、この辺は、もっと先にならないと分からないですけどね(^◇^;)
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●●今回のネオフライト奥義●●
・3D時代の個人ユーザーによる個人使用は、原則として、侵害にはならない!
・ただし、当然のことながら、例外はあり得る!
・特に、3Dデータのアップロードは、私的使用の範囲を超えて複製権侵害となり得る!
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いや~、今回は、ちょいと長くなってしまったかな。
2回に分けようかと思ったんですが、
ちょっと中途半端なので、
1回にしちゃいました(^0^;)
おそらく、次回以降の「2.業務利用の場合」の知財関係は、
結構複雑になりますので、
2回に分けることになると予想しています。
それでは、また次回。
ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔
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「特許専門の弁理士が、あなただけにコッソリ教える実践特許6つの秘訣!」PDF A4:53ページ