こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔です。
さて、今回も、ASEANのお話し。
前回、ASEANのマクロ経済を見てみました。
今回は、もう少し知財的な視点で見ていきましょうか。
前回も少しお話ししたように、
ASEANは、知財的にはまだまだこれからです( ^o^)ノ
ASEANの特許出願状況を見ると、
ほぼ右肩上がりと言っていいですね。
ただし、その出願の多くが外国人によるものです。
外国というのは、
日本、アメリカ、ヨーロッパです(*゚д゚*)
国ごとに差はありますが、
内国人による出願は、
だいたい10%~20%くらいです。
つまり、先進国が、いち早くASEAN地域に出願しており、
ASEAN各国の国内技術レベルが、
それにまだ追いついていない状況(T-T)
さらに、民間企業だけでなく、
ASEAN各国の国レベルの知財運営能力が
まだまだ追いついていないですね(ToT)
要するに、
「何だかよ~、
急に出願は増えたけどよ~、
何か技術レベルが高くてよく分かんないし~。」
って感じで、出願を審査する審査官もまだ育ってない。
そんなASEANの特許行政を支えるべく、
日本も結構応援してます。
ASEANの特許庁には、
日本に来て特許の実務を学んだ人が
結構いるそうです(^▽^)
さて、外国での知財を考える場合、
権利の取得の場面と、
権利の行使の場面を考えたいですね!(^^)!
まずは、権利の取得に関して。
先ほど申し上げたように、
特許庁の審査官に、
特許を審査する能力がまだまだ育っていません。
技術も分かって、法律も分かったりすると、
今なら、特許庁の審査官やるよりも、
もっと稼げる仕事があるので、
せっかく育てた審査官も、なかなか定着しないみたい(^^ゞ
なので、ASEAN諸国での特許は、
権利が下りるまでに相当時間がかかります。
5~6年は当たり前。
ヘタしたら10年なんてこともありそう(O_O)
何とか早くなるように働きかける必要があります。
例えば、修正実体審査といった制度があります。
シンガポールやマレーシアなどでは、
日本で特許が取れると、
それら日本の書類を提出すれば、
ほぽそのまま特許が取れます(*^o^*)
それから、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピンなどでは、
実際には、日本を含む先進国の審査結果を大いに参考にしています。
まあ、早く権利が取れるように、積極的にアクションを起こしましょう、
ってことですな(^Д^)
一方、権利の行使に関してです。
権利行使に関しても、
基本的には、かなり時間がかかります(^0^;)
だって、ASEAN諸国では、
特許の裁判なんて、ほとんどやったことなかった訳ですよ。
技術も難しいし、裁判官だって、なかなか裁けない。
なので、不慣れなせいもあり、本当に遅いです。
まあ、シンガポールは例外。
シンガポールでは、
先進国なみに早く対応してくれるようです。
弁護士費用などもかなりかかるので、注意したいですね。
そんな中、まだ使えそうなのは、
意匠とか商標ですかね(^。^)
そう、見れば分かるようなものです。
見れば分かるんだから、その判断も、
特許よりはぜんぜん楽ですよね。
中国などでも同じですが、
ASEAN諸国では、意匠や商標などを活用する
っていう意識は重要ですね。
それでは、また次回。
ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔
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