こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔です。
さて、今回は、地図のお話し。
特許の地図です。
特許の業界にいると、
こんな言葉をよく聞きます。
「パテントマップ」
なんだか、よくわからんですね~(^^ゞ
このパテントマップというのは、
特許情報を見える化したものです。
図表なんかで、見易くまとめたものですね(^○^)
まあ、「パテントマップ」なんて言うと、
ちょっと格好いい響きがありますよね~(^ー^)
なもんで、弁理士とか知財関係者の間で、
やたら好んで使われてるような気がします(^0^;)
ただし、「パテントマップ」って、
ついつい目的となりがちです(゚o゚;
そう、「パテントマップ」って
作るのに結構時間がかかるんです。
それに、アウトプットも図表で表現されていて、
見栄えが良い。
なので、「パテントマップ」を作ることが
特別なスゴいことで、
それ自体が目的となってしまってる感が結構あります(T.T)
しか~しである。
そこは、はき違えちゃイカンですな(`Д´)コラ
「パテントマップ」を作る目的は、
「パテントマップ」を作ることではなく、
状況を分析・検証することです。
つまり、分析・検証のための一つの考え方にすぎない
ってことですな(^_^)b
じゃ~、何を分析するのか。
例えば、知財の創出の場面で考えてみましょう。
まあ、こんな場面。
■ある技術分野について、他社が手を付けていないなら、
他社に先駆けて開発に着手したいんだけど。
■ある技術分野の技術レベルを把握して、
今から参入して勝てるかどうか判断したいな~。
■競合の開発状況を把握して、自社の開発の方向性を決めたい。
■ある技術分野について、すでに権利が取られているなら、
開発が無駄になるので、今から何らかの手当てをしておきたいね。
ざっと、こんな感じでしょうか。
順番に見てみましょう。
■ある技術分野について、他社が手を付けていないなら、
他社に先駆けて開発に着手したいんだけど。
→こんなとき、技術分類を頼りに特許情報を収集すれば、
どんな技術分野に誰が進出しているかが分かります。
これらをマトリックスなどで表せば、
他社が手を付けていない、空白の技術分野が見つかるかもしれません(O_O)
■ある技術分野の技術レベルを把握して、
今から参入して勝てるかどうか判断したいな~。
→これも同じですね。
技術分類を頼りに特許情報を収集して、
具体的な技術内容を読んでいけば、
その分野の技術レベルが分かります(^o^)
■競合の開発状況を把握して、自社の開発の方向性を決めたい。
→技術分類を頼りにして、誰が進出しているかが分かります。
発明者を頼りに収集すれば、開発チームの規模なども分かります。
出願日を時系列に並べれば、
いつ誰が何件出願しているのかが分かります。
内容を読めば、開発内容やレベルも分かりますね(゚Д゚)
■ある技術分野について、すでに権利が取られているなら、
開発が無駄になるので、今から何らかの手当てをしておきたいね。
→技術分類を頼りにして、
誰がどんな権利を取っているかが分かりますね。
もし、自社が開発しようとしている技術が、
他社の権利に抵触するのであれば、
その権利を無効にする資料を収集しておいたり、
実施契約の可能性を検討したり、
はたまた開発自体を早期に中止したり、
いろんな選択ができます。
こんな具合に、特許情報を図表化して
「パテントマップ」を作ることは、
戦略的な判断をするときに、結構使えます。
ただし、「パテントマップ」って言ったって、
単なる情報をまとめたものにすぎません(ーー;)
なので、本質的に重要なのは、
「パテントマップ」を作成することではなくて、
そこから何が読み取れるか、
といった論理的な思考・分析能力ですね(^o^)
「パテントマップ」という言葉に踊らされずに、
何のために一生懸命図表化してるのか、
という点を、忘れないようにしましょう!(^^)!
それでは、また次回。
ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔
業界初の”エンタメ系”実践特許術!
「特許専門の弁理士が、あなただけにコッソリ教える実践特許6つの秘訣!」PDF A4:53ページ