第193回:発明的問題解決法TRIZとは?Part4

 

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔です。

さて、今回も、発明発想のお話し。

前回からお伝えしているTRIZのお話です。

TRIZっていうのは、

発明の世界での問題解決理論です。

量的にはかなり膨大ですし、

体系的に学ぶのは難しいのですが、

研究開発、知財マンなどのように、

発明回りで生きている人には

とても有用です。

TRIZを学ぶ上では、

その変遷を知っておいた方が良いでしょう。

日本でTRIZを学ぶという観点で言うと、

ロシア→アメリカ→日本

の流れを認識しておくと良いですね。

TRIZ自体は、旧ソ連のアルトシュラーという人が

考えたものなので、出発はロシアです。

彼は、何百万件という特許文献を調べて、

発明の法則性と発明の創出方法を考え出しました。

それが、発明的問題解決理論、TRIZの始まりです。

ただ、当時は、スターリン体制の厳しい状況でしたから、

この新しい理論は、なかなか普及させるのが難しかった。

実際彼は、そのせいで、強制収容所送りにされてます。

数年後に解放されまして、

旧ソ連で少しずつ少しずつ広めていきます。

大学院で2年コースとして教えたりして、

弟子たちも増えていきました。

そして、TRIZ自体もじっくりと成長していきます。

このあたりのTRIZを「古典的TRIZ」と言ったりします。

そして、世界が一変します。

旧ソ連の崩壊ですな。

これによって、旧ソ連が世界に開けていきました。

アルトシュラーの弟子たちも、

欧米にない理論を引っさげて、

世界に移っていきます。

最も多かったのが、アメリカです。

そこで「古典的TRIZ」に新たな息吹が芽生えました。

「古典的TRIZ」から結構時が経っていたので、

ダレルマンという人が、

アメリカ特許15万件を調べて、

「古典的TRIZ」を現代版に改良したんです。

そして、新たなTRIZの教科書を作りました。

それが、

「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」

という本で、日本語にも翻訳もされてます。

この辺のTRIZを、新TRIZとでも言いましょうか。

ただし、それでも、TRIZは、まだ難しい。

そこで、TRIZをもっとやさしく実践的にしよう、

ということで、イスラエルとか日本で

さらなる改良が加えられています。

さて、日本でTRIZを学ぶ上で、

必要なのは、まずは教科書でしょう。

アマゾンでTRIZを検索してみると、

「ひとまず簡単なTRIZでっせ~」

みたいな本がほとんどです。

もちろん、入り口としては、

簡単な本を読むのも良いのですが、

実際にTRIZを使うようにするためには、

TRIZに対する理解を深める必要があります。

そのためには、もう少し専門的な本を読んだ方がいい。

でも、TRIZの専門的な本は、日本語ではほとんどありません。

それが、TRIZを体系的に学ぶことの難しさの一つにも

なっていると思います。

ただし、1つだけあります。

先ほど紹介した、

ダレルマンの

「TRIZ実践と効用 体系的技術革新」

です。

日本でTRIZをちゃんと学ぶには、

この本は必須ですね。

だってほとんどこれしかないですから。

でも、アマゾンには掲載されていますが、

取り扱ってはいないようですね。

しかも、この本を扱っている会社が

2012年末で業務を終了するそうです。

この本の今後の予定は未定だそうなので、

TRIZをちゃんと勉強したいという方は、

今のうちに手に入れておいた方が良いと思いますよ。

ちなみに、定価は税込み9,450円です。

 

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔

 

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