第104回:中小製造業の効果的な特許の取り方とは?

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔 です。

さて、今回は、特許とビジネスモデルのお話し。
特許って、他社の模倣を防止するために
取るものですよね。

基本的には、同じ製品に対して、
特許の数や種類が多ければ多いほど、
権利としては広く強くなります。

権利のモレやヌケが少なくなるからですな。
だから、大企業は、同じようなアイデアであっても、
複数件にわたって特許出願をします。

金持ちは違いますな(´д`)
でも、中堅・中小製造業の場合、予算的にも
そんなにたくさんの特許を出すことは
できないですよね?

じゃ~、どうするか、って言うと、
少ない出願で、なるべく効果的な権利を取りましょう
ってことになる訳です。

じゃ~、どうすれば、なるべく
効果的な権利になるかっていうと、
ビジネスモデルに合わせるってことです。

ビジネスモデルの中には、
電動歯ブラシやカミソリの替え刃などのように、
本体価格を抑えておいて、
消耗リピート品の価格を高めに設定して
儲けを出すリピートモデルがありますよね。

他の代表選手としては、
プリンターとインクがあります。
これって、インクで儲けを出せるからこそ、
プリンタ本体の価格が抑えられる訳です。

そしたら、プリンタ本体とインクと
どっちを保護すべきでしょうかね~?

大企業だったら、もちろん両方特許取りますが、
中堅・中小製造業のようにリソースが少ない場合、
プリンタ本体よりもインクをより厚く保護した方が
効果がある訳ですよ。

なので、中堅・中小製造業だったら、
プリンタ本体で特許を取るよりも、
インクで特許を取った方が効果的となる
可能性が高い訳です。

ここで重要なのは、インクで特許を取る
ということではなく、
ビジネスモデル(収益構造)に合わせて、
特許を取るということです。

中堅・中小製造業の場合、
アイデアを考えたら、特許出願する前に、
収益構造や販売方法などのビジネスを
先に考えた方が良い場合があります。

それによって、何を特に保護すべきかを
検討することによって、少ない件数でも
より効果的な権利となり易くなります。

ちなみに、リピートモデルを採用するキヤノンは、
インクの競合企業とよく戦ってます。

まあ、キャノンとしては、インクに手を出される
ことはプリンタ関連にとって死活問題ですからね。

先日、キャノンのインクカートリッジの訴訟に
関する高裁判決がでました。

キャノンが、プレジールなどのインク競合企業に対する
侵害訴訟に対して、勝訴しましたね~。

まあ、これですべてが終わる訳ではないでしょうが、
個人的には良かったんじゃないかと思います。

やっぱり、権利者側が強くなるように
してあげないと、特許が軽くなってしまいますからね~。

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔

 

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