第60回:特許で技術を広く守るには?

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔 です。

さて、今回は、発明のお話しです。
特許出願するときには、発明の本質を
とらまえるということが、すご~く重要です。

なぜ重要かというと、特許の世界は、
andの世界だからです。
まずは、andの世界について、知っておきましょう。

andというのは、”AかつB”という意味です。
つまり、”AまたはB”というように、
“いずれか一方”ではなく、
“すべて”ということなんです。

もう少し説明しましょうか。
特許というのは、言葉がすべてです。
言葉によって、こんな風に表されます。

「Aと、Bを備える時計」

このとき、他人が、「Aのみを備える時計」や、
「Bのみを備える時計」を販売しても、
権利侵害にはなりません。

あくまでも、「Aと、Bを備える時計」を販売して
初めて権利侵害となる訳です。

つまり、言葉で表現された要素の”すべて”を使わないと、
権利侵害にならないんですね。

ということは、「Aと、Bを備える時計」よりも、
初めから、「Aを備える時計」だけにしておいた方が、
権利範囲は広くなるんです。

要するに、Aとか、Bという要素は、
少なければ少ないほど権利範囲が広くなるんですね。

ということは、権利範囲を最大限広くするためには、
こういうことが言えるんです。

「発明を成立させる最低限の要素で表現する!」

そこで、話が冒頭につながってきます。
「発明を成立させる最低限の要素で表現する」
ためには、その発明の本質を知らないとできないんですね。

わたしが、お打ち合わせのときに、
お客さまにしつこいくらい聞くのは、
“この発明の本質は何なのか”
をとらえるためです。

すべてのぜい肉をそぎ落として、
そこに残る身は何なのか、を知るためなんです。

発明の本質を知るための方法としては、
「ぜい肉そぎ落とし法」
が有効です。

つまり、これは無くてもいいのか、
ここは削除しても成立するか、などなど
要素の一つ一つを消去していくやり方です。

最後まで残ったものが、
「その発明を成立させる最低限の要素」
となります。

エンジニアの方は、たくさんの機能を主張される方が多いですね。
こういう機能もあります、こんな工夫もあります、
それだけじゃなくこんなのも。

もちろん、それらも大事なのですが、
特許という「言葉による2次元的な世界」に
落とし込むためには、それらを一つ一つ冷静に整理する
必要があります。

ハートは熱く、頭はクールにいきたいですね。
今回は、発明の本質を見極めましょう、というお話しでした。

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔

 

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