保存容器って著作権侵害になるの?

今回は、著作権のお話しです(^^)

ここ最近、著作権と言えば、
AI絡みの話が続いていましたが、
今回はもっとアナログなお話し(@_@)

先日、著作権侵害に関する
地裁判決が出されましたd(^_^o)

対象となるのは、
コーヒー豆などの保存容器です。

訴えた方の原告の保存容器に対して、
訴えられた方の被告の保存容器が
著作権を侵害しているとして、
争われた事案です(^_^)

まずは、訴えた方の原告の保存容器Aがこれです。
◆保存容器A

(令和5年(ワ)第5412号)


一方、訴えられた被告の保存容器Bがこれです。
◆保存容器B

(令和5年(ワ)第5412号)


つまり、被告の保存容器Bは、
原告の保存容器Aの著作権侵害だと、
原告側は主張したわけです(`ε´)

一方、被告側は、著作権侵害ではない
と主張したわけですね(`へ´)

さて、この保存容器A,Bを見て、
どう思いますか?
著作権侵害でしょうか?
それとも非侵害でしょうか?

まずは、仮説でも良いので
答えを考えてみてください(-_-)゜zzz…

では、答えです。

答えといっても、
絶対的に正しい訳ではなく、
今回の判決はこうなったということです。

はい、判決は、
“非侵害”としました
d(^_^o)

なぜでしょう?

著作権の保護対象は、
著作物です
(^O^)
著作物というのは、
なんでしょうか?

著作権法では、
こんな定義がありますね。

●著作権法2条

著作物
思想又は感情を創作的に表現したもの

具体的には、文芸、美術、音楽などですね。

今回の判決では、
この保存容器には著作物性がない
と判断されました(@_@)
著作物ではないということは、
著作権の保護対象ではないわけで、
そうなると、そもそも著作権侵害なんて
発生しない、ということですね。

判決文には、このように記載されています。
蓋の部分について

実用目的を達成するために
必要な機能に係る構成と分離して、
美術鑑賞の対象となり得る
美的特性を備えているとはいえない

著作物というのは、
思想や感情を
創作的に表現したものですから、
それだけで美術として鑑賞できるような
美的特性が必要であって、
この保存容器には、
そのような美的特性はない、
ということですね(^_^)b

個人的には、
この判断は妥当だと思います。
今回の保存容器のように
工業製品で量産されるような商品は、
基本的には著作物性がない、
と判断されることになりますね。
つまり、著作権では保護されないということ。

では、どうすればよかったのか?

まずは、不正競争防止法で
差し止めできるかどうかを考えるべきですね。
でも、それをしていないということは、
不競法ではムリと判断した可能性が
高いです(>_<)

となると、結果論ですが、
意匠権や特許、実用新案権など、
出願して登録が必要な
知財権を取得しておくべきでした、
ということになります
d(^_^o)

中小製造業の場合、
すべての商品について
知財権を取得することは
難しいと思いますが、
“これぞ”という商品については、
知財権の取得を検討しておきましょう。

次回もお楽しみに!

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●●今回のネオフライト奥義●●

・著作権の保護対象は著作物!
・著作物とは思想・感情の表現!
・重要な商品は知財権を取得!

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代表弁理士 宮川 壮輔

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