代表弁理士 宮川 壮輔
先日、ユニクロが、SHEIN(シーイン)を
提訴したと発表がありました(・o・)
SHEINというのは、
中国系のネット通販会社です。
SHEINサイト
当社のサイトによると、
全世界の従業員数は10,000名、
150以上の国に販売しています(^_^)b
ちなみに、SHEINは、
米国でも人気となっていて、
2022年第2四半期には、
アプリのダウンロード数が、
米通販アマゾンを抜いて
1位となっています(°°)
昨年11月には、米国で
新規株式公開(IPO)を申請し、
今年2024年にも上場すると
見られています(°0°)
そのSHEINをユニクロが提訴しました。
理由としては、
ユニクロの「ラウンドミニショルダーバッグ」を
模倣したということ(`ε´)
ユニクロのバッグはこちら。
ユニクロのラウンドミニショルダーバッグ
他社商品を模倣することは
良いんでしたっけ?
はい、ここでは何度も言っていますが、
模倣することは原則自由ですd(^_^o)
商道徳上の問題はあり得ますが、
法的には原則自由です。
ただし、例外がありましたね。
知財権の範囲に含まれている場合、
例外として模倣してはイケない、
という関係になります(^_^)b
今回、ユニクロが提訴したということは、
何らかの法的根拠に基づいているはずで、
それが知財権の侵害、
ということになります(@_@)
知財権と言えば、
代表的には以下の4つですね。
・特許権
・実用新案権
・意匠権
・商標権
今回の提訴の理由は、
これら4つの権利の侵害
ということではありません(・o・)
これらとは別種の
不正競争防止法という
法律を根拠としています。
本来であれば、
意匠権侵害などで
提訴することがありますね。
その方が、提訴する側としては、
立証が相対的に容易だからです。
でも、意匠権の場合、
公開する前に出願して
特許庁の審査を経て
登録される必要があります(>o<)
登録されなければ、
意匠権は発生しませんので、
意匠権侵害は起こり得ません。
今回、不正競争防止法により
提訴したということは、
このバッグについて意匠権を
取っていない、という可能性が
高いですね(^_^)b
不正競争防止法の場合、
事前の登録は不要ですからね。
今回は、おそらく、
不正競争防止法のこの条文が、
メインの争点となるでしょう。
●不競法2条1項3号
他人の商品の形態を模倣した商品を
譲渡等する行為
(簡素化しています)
これが「不正競争」と定義されており、
差止請求、損害賠償請求を
することができる、となっています(^_^)
この条文で、「商品の形態」や
「譲渡等」は、大きな問題には
なりにくいでしょうね。
やはり、1番の問題になりそうなのは、
「模倣」ですね。
不競法では、「模倣」も定義されています。
●不競法2条5項
「模倣する」とは、
他人の商品の形態に依拠して、
これと実質的に同一の形態の
商品を作り出すことをいう。
「依拠性」と「実質的同一性」が
要件となっていますφ(.. )
「依拠性」というのは、
他社商品を知っていて、
その他社商品と同一と言えるほどに
酷似した商品を作り出すことを
認識していることです(^_^)b
ユニクロの当該バッグは、
ユニクロ史上最も売れたバッグで、
世界のメディアにも取り上げられ、
英国のファッション検索サイトの
ランキングで、最もホットなアイテム
にも選ばれたことがあるそうです。
となると、SHEIN側が、
“知らなかった”とするのは、
ちょっとムリがありそうです(^_^;
ただし、「実質的同一性」に関しては、
実際のモノを比較できないので、
現時点では何とも言いにくい。
メインの争点は、「実質的同一性」
ということになりそうです。
この動きが今後どうなるか、
注目したいですね(^_^)b
それでは、続きはまた次回。
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●●今回のネオフライト奥義●●
・意匠権は登録が必要!
・不競法は登録が不要!
・依拠性と実質的同一性!
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