著作権の複製権と私的使用ってどうなってるの?簡単に解説します

代表弁理士 宮川 壮輔

ここ最近、AI絡みの話をしてきましたが、
今回は、AIとは関係ない著作権の話しです。

著作権というのは、
いろんな権利の集合体です
(^_^)b
その中で最も聞きなじみのある権利の
1つが、“複製権”ですよね(^O^)
コピーする権利です。
著作権法ではこうなってます。

●著作権法21条
(複製権)

著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。

条文自体は非常にシンプルですね(^-^)
つまり、著作物をコピーするのは、
著作者しかできません、ということ。

そして、もしコピーするのであれば、
著作者からの許諾が必要ですよ、
ということです(`ε´)

この複製権には例外がありますね。
これも、地味に有名だと思いますが、
“私的使用のための複製”です(^o^)
つまり、私的使用の場合は、
著作者の許諾なしにコピーして
OKということです(@_@)

法律を理解する場合、
原則と例外の流れをしっかり認識する
ことが重要ですd(^_^o)
でないと、例外だけが一人歩きして、
いつの間に誤った方向に行っちゃいます。
こういう関係ですね。

・原則:著作者以外コピーしちゃダメ
 ↓
・例外:私的使用の場合はOK

例外ということですから、
例外が適用されるには、
要件があります(^_^)b
この要件をしっかり認識することが
例外適用を判断する際には、
極めて重要になりますね
(^○^)

著作権法ではこうなってます。

●著作権法30条
(私的使用のための複製)

著作権の目的となっている著作物は、
個人的に又は家庭内
その他これに準ずる限られた
範囲内において使用することを
目的とするときは、
次に掲げる場合を除き、
その使用する者が
複製することができる。

この要件で着目したいのは、
次の2つ(^_^)v

・個人的に又は家庭内
・その使用する者が


以前、自炊代行サービスというのが
ありましたよね(^o^)
書籍をスキャンしてPDF化する
というサービスです。
このサービスについて、
著作権法上の争いがありました。
(平成25年(ネ)第10089号)

知財高裁の判決があり、
本件の自炊代行サービスは、
“著作権法30条の適用はなし”
と判断されました(@_@)

自炊代行サービス自体は、

営利を目的として、
顧客である不特定多数の利用者に
複製物である電子ファイルを
納品・提供するために
複製を行っている

ため、個人的又は家庭内での
利用ではないと判断されました。

さらに、自炊代行サービス事業者は、

複製行為の主体であるのに対し、
複製された電子ファイルを
私的使用する者は
利用者であることから、
“その使用する者が複製する”
ということはできず

と判断されました。


ちなみに、映画館で映画を盗撮することは、
私的使用であってもアウトです
(°°)
それは、
“映画の盗撮の防止に関する法律”
にこのような規定があるからです。

●第4条
(映画の盗撮に関する著作権法の特例)

映画の盗撮については、
著作権法第三十条第一項の規定は、
適用せず、~

つまり、映画の盗撮は、
私的使用であっても例外適用は
されませんので、原則に戻ります。
そうすると、原則は、
著作者以外がコピーしちゃいけませんので、
複製権侵害となるわけですね
(^_^)b

このように、複製権は、
著作者以外がコピーしてはいけない、
という権利です(^_^)b
そして、私的使用のための複製の
例外という規定があります(^o^)
例外には、例外が適用される要件が
必ずありますので、
要件を理解し、要件が適用できるかを
判断する必要があります(^○^)
でないと、判断を誤ってしまいますので
要注意ですね。

続きは、また次回。


━━━━━━━━━━━━━━━
●●今回のネオフライト奥義●●

・著作権は複数の権利の集合体!
・著作者以外は複製ダメ!
・私的使用の例外には要件あり!

━━━━━━━━━━━━━━━

特許無料レポートお申し込みフォーム

業界初の”エンタメ系”実践特許術!
「特許専門の弁理士が、あなただけにコッソリ教える実践特許6つの秘訣!」PDF A4:53ページ


*
*
メールアドレス*
コメント