代表弁理士 宮川 壮輔
ここ数回、AIと著作権について
お話ししています。
この論点の全体を把握するタメに、
以下の2つのプロセスに分けましたね。
(1)生成
(2)利用
今回から、(2)利用のプロセスです。
(2)利用のプロセスというのは、
一般ユーザーが生成系AIなどを
利用する場面ということになるので、
こちらの方がより多くの人に
関わる問題と言えますねd(^_^o)
もう一度、利用の流れを見てみましょう。
以下のように、ユーザーがChatGPTなどの
学習済みモデル(生成系AI)に
情報を入力して、AI生成物を生成する
というプロセスですね(^○^)
・コンテンツ,データ,生成指示
↓
・学習済みモデル
↓
・AI生成物
それでは、利用のプロセスにおける
論点について、
見ていきましょう(^_^)v
まずは、入力段階ですφ(.. )
ユーザーが学習済みモデルに
データや指示を入力するわけですよね。
このとき、自分で考えた文章を入力
するのであれば、著作権の問題は
生じにくいでしょう(^_^)
でも、このとき、他者の文章だったり、
他者の画像を入力することが
あるかもしれません。
入力するということは、
ほとんどの場合、それら文章や画像の
著作物をコピーしているはず。
その場合、それら文章や画像の
著作権の侵害にはならないの?
というのが問題になりますね。
これは、著作権の中でも、
複製権の問題ですね(^○^)
原則としては、著作権者しか
複製することはできません(`´)
したがって、著作権者の許可無く
複製することは、複製権の侵害です。
しかし、例外規定がありますね。
1つが「私的使用のための複製」です。
当該入力が私的使用のためであれば、
例外として著作権者の許諾は
不要です(^O^)
自分の中だけで完結するのであれば
OKということですね。
でも、私的使用の範囲は結構狭い
ですから、気を付ける必要があります。
もちろん、会社の業務であれば、
私的使用ではありませんし、
SNSにアップするのであれば、
これは公衆送信権ですので、
「私的使用のための複製」の例外は
適用されません(`ε´)
もう1つの例外規定は、
30条の4ですd(^_^o)
これは、前回やりましたね。
ユーザーの入力段階でも、
この例外規定は適用可能です。
詳細は、前回をご覧下さい。
この条文のタイトルはこうなってます。
「
著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用
」
この例外規定が適用されるかどうかは、
一概には言えません(ToT)
でも、おそらく、こういう傾向とは
言えるんじゃないかな。
文章を入力してAI生成物として
画像を生成する場合。
これは、当該文章の「享受を目的」
とする行為には、該当しにくいので、
例外適用ありかな(^_^)b
つまり、例外として複製権侵害には
ならないし、許諾は不要。
でも、画像を入力してAI生成物として
画像を生成する場合は、
その入力画像の「享受を目的」
とする行為に、該当し得るので、
適用なしの可能性あり。
つまり、複製権侵害になり得る場合、
許諾が必要。
もちろん、これらの傾向も、
個別具体的な状況によって
変わってくるでしょうd(^_^o)
この点については、
今後の議論や判例によって
明確になっていく、
といったところでしょうね。
現時点でユーザーができることとしては、
入力するデータのログを残しておく、
ということですねφ(.. )
特に会社業務であって
大きなプロジェクトの場合、
後になって、どういうデータを入力したのかを
明確に立証できるようにすることは、
ユーザーにとっての防衛手段の
1つになるでしょう(^_^)b
続きは、また次回。
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●●今回のネオフライト奥義●●
・入力段階での複製権問題!
・私的使用は適用される?
・30条の4でログを残しておこう!
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