共有特許のルールの見直し内容とは?

代表弁理士 宮川 壮輔

今、日本政府が国をあげて
スタートアップを支援していますね。
知財に関して言うと、
スタートアップ回りには、
問題がいろいろあります(>o<)

「知的財産推進計画2022」
によると、大学や大企業との関係に
おいて、こんな問題点を
挙げていますね(^_^)b
知的財産戦略本部のサイトへ

・大学の共有特許が死蔵化
・大企業の知財が充分活用されていない
・大企業の知財・人材の切り出しが十分行われていない
・スタートアップの知財戦略実行体制が脆弱

これらの問題を解決するために、
いろいろと施策を実行しています。
今回は、「大学の共有特許が死蔵化」
という問題について見てみましょう(^O^)

これは、大学ととある企業との間で
共有特許があるという場面ですね。
大学と企業が共同開発することにより
特許を取ったものの、
企業が何らかの理由で
実施しないでいるとします(>_<)
大学としてはせっかく特許を取ったのに、
相手企業が実施しないとなると、
宝の持ち腐れとなってしまいますよね。
だって、大学は事業化しませんからね。

それなら、こういう技術やノウハウを望む
スタートアップ等の企業にライセンスした方が
大学にとっては有効活用になります。
日本全体にとっても、埋もれた技術を
有効活用することにより、
産業の活性化につなげる
ことができるかもしれません( ^o^)ノ

しかし、現状、このようなとき大学が、
第三者にライセンスすることは難しいです。

なぜか?

特許法にはこんな規定がありますφ(.. )
(多少、簡単化しています)

●特許法73条1項

特許権が共有に係るときは、
各共有者は、他の共有者の同意を
得なければ、その特許権について
許諾することができない。

つまり、許諾するときは、
相手の「同意」が必要ということです。

なので、大学がスタートアップに
共有特許をライセンスするには、
相手企業の同意がなければなりません。

相手企業としては、その共有特許を
いつか使うかもしれないし、
または自社の事業を脅かすような
他社事業の出現を阻止したいし、
いろんな思惑があります(@_@)
なので、相手企業としては、
大学が第三者に実施許諾
することを認めたくない、
ということが多いわけです
(*_*)

そうすると、大学は、特許法73条1項により、
第三者にライセンスすることができません。
そうすると、その特許は誰にも使われることなく
ひっそりと置かれたままになるわけです。
つまり、せっかくの特許が死蔵化する、
ということですね
(ToT)

この問題を解消するために、
政府は、共有特許のルールを
見直しするように進めています(`ε´)

例えば、共有特許が未活用のまま
3~5年経過すると、
大学が第三者に譲渡することを
可能にするなどの策を検討しています。

知的財産本部が、今年2023年3月中に
ガイドラインを策定する予定となっていて、
しばらくしたら発表されることになるでしょう。
それまで楽しみですね(^○^)


続きは、また次回。


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●●今回のネオフライト奥義●●

・共有特許の死蔵化!
・共有特許の許諾には許諾が必要!
・共有特許のルール見直し予定!

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