第71回:商標っていつまで続くの?

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔 です。

さて、今回は、商標のお話しです。
最近、特許の話しが続いたので、商標ネタは久々ですね~。

さて、商標権って、どれくらいの期間有効なのかご存じですか?
はい、答えは、10年です。

最初に登録料を払えば、10年は存続します。
で、そのあとはどうなるかっていうと、
更新することができるんです。

更新することによって、さらに10年存続します。
で、そのあとは?

はい、いくらでも更新することができるんですね。
ということは、更新し続ければ、
いつまでも存続することになります。

つまり、商標権っていうのは、更新することによって、
永久に存続させることができるんです。
この辺が、特許なんかと違う点ですね。
ちなみに、特許は、出願から20年で消滅します。

じゃ~、なぜ、商標は永久に存続するんでしょうか?
まず、特許というのは、
「一定の期間、独占権をあげるから、その技術、みんなに公開してくださいな」
という制度です。

これによって、みんなが切磋琢磨して、社会全体の
技術レベルを上げていきましょう、
というのが特許制度の思想です。
なので、一定の期間が過ぎたら、特許は消滅させることにしているんです。

一方、商標権っていうのは、そもそも単なるネーミングです。
「そのネーミングを使わなければ、社会全体がレベルアップしません」
というものではありませんよね。

他人が考えたネーミングを、その他人が使い続けたとしても、
そもそも誰も困らないわけです。

さらに、ネーミングっていうのは、使えば使うほど、価値が上がってきます。
古ぼけた場末の商店名よりも、「セブンイレブン」という
ネーミングの方が、価値ははるかに上ですよね。

しかも、そういう価値のあるネーミングを、
一定期間が過ぎたから消滅させるということにすると、
社会が混乱してしまいます。

だって、「セブンイレブン」だから信用してたのに、
一定期間が過ぎて、いきなり訳の分からん小悪党が、

「これからは、「セブンイレブン」のネーミング、
ぜひとも使わせていただきます、イヒヒ」

となったら、買う方は危なくてしょうがないじゃないですか。

つまり、商標権っていうのは、使い続けても誰も困らないという点、
社会経済上の秩序を守るという点から、
特許とは違って、永久に保護すべきというように考えられているんですね。

ただ、”一回登録したら、永久に続きますよ”って
いう風にしちゃうと、まったく使っていないものまで、
永久に保護されちゃうことになるので、
それはそれで困ったことになる訳ですよ。

なので、10年に1回の更新手続きという
しばりをつけることによって、
半永久に続くようにしているんですね。

手続きとか、法律って、表面だけ見てると、
とても無味乾燥でつまらないものに思えるんですけど、
その背後に潜むストーリーとか理由などを追いかけていくと、
結構おもしろくなったりします。

「なんでこうなってんの?」

知財レベルを早く上げるためには、
この「なんでこうなってんの?」というのを追求するのがコツですね。

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔

 

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