第591回:組立家屋の意匠権の侵害とは?

今回は、意匠のお話し。

昨年の11月末に、組立家屋のデザインの
意匠権についての判決が出されましたね。
組立家屋のデザインに関する意匠権で、
権利侵害を認めた判決は、
初めてのようです
(・o・)

以前も紹介したように、
昨年4月に改正意匠法が施行されて、
建築物についても、
意匠の保護対象になることが
明記されました
(^O^)

以前の弊社の紹介内容はこちらです。

第575回:建築物の意匠権が登録され始めた?

改正されたということは、
改正前は、建築物については
意匠法の保護対象ではなかった
ということですね(^-^)

この判決は、今後の意匠権の状況を
見ていく上で非常に大きいものに
なりそうですね(^_^)b

意匠権の内容はこちらです。

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/DE/JP-2016-013306/169B1EF5B528F5EFD67286F97F8883A1BB9DC0AD7E236A1F2476ACCAD7E55EC8/30/ja

使用状態を表す参考図はこちら。

(意匠登録1571668号)

一方、被告の商品はこちら。

(平成30年(ワ)第26166号
 被告製品目録1より)

意匠権の物品は、
「組立家屋」となっていますね。
ちなみに、この意匠権の出願日は、
2016年6月となっていますので、
改正前の意匠法が適用されます。

重要なのは、物品が「組立家屋」に
なっているという点ですね(^_^)b
改正前の意匠法では、
不動産は物品として認められて
いませんでした。
しかし、「組立家屋」のように
使用前に動産的な性質を
有するものについては、
以前から物品として
保護対象だったんですね(^o^)

今回の被告商品が
物品に該当するか否かは、
争点の1つとなっていました。
裁判所は、被告商品も
「組立家屋」として物品と認められる
と判断しています
(^_^)

さらに、争点としては、
意匠自体が類似してるか否か、
についてももちろん争われています。

この意匠権は部分意匠であって、
正面の十字の柱の部分が
重要な部分ですね。
この十字の柱が正面に対して
左側に寄せられていますね(*_*)

一方、被告商品にも正面の十字の
柱があって、右側に寄せられています。

この辺が違うといえば違う点でしょうか。

裁判所は、
左寄りか右寄りかという差異は、
美感に決定的な影響を与える差異
ではない、と判断しています。
つまり、類似すると認めたんですね(@_@)

今後は、改正意匠法によって、
昨年4月以降出願の意匠権については
建築物や内装について、
意匠の保護対象であるか否か、
という争点は無くなっていきます。

建築物が保護対象であることは
意匠法に明記されましたからね(・∀・)

ただし、建築物や内装が
被告商品と類似するか否かについては
上記と同様に、個別具体的に
判断されていくことになりますφ(.. )

個人的な印象としては、
建築物だからといって
特別な考え方という要素は
さほど大きくはなく、
今までの意匠の類否判断が
なされていくのかなぁ、といった
感じです(@_@)

今後、建築や内装の意匠、
その他のデザインの意匠についても
どのように変化していくのか
楽しみですね(^o^)

続きは、また次回。

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●●今回のネオフライト奥義●●

・建築物や内装も意匠保護の対象!
・組立家屋についての侵害判定!
・今後のデザインの状況に注目!

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ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔

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