今回は、特許のお話し。
ある開発テーマが見つかり、
苦労して開発したあと、
試作品を作った。
上手くいったので、
これで、特許出願しよう、
というケースって、ありますよね(^o^)
このときに、重要なのは、
抽象度のコントロールという
考えですな(^_^)b
目の前に試作品があって、
具体化されればされるほど、
その構造の抽象度を上げて
いくのは難しくなってきます。
例えば、ホッチキスを試作したと
しましょうか。
いろんな構造がありますよね。
針だとか、
針をスライド移動させる機構とか、
ヒンジを介して開閉する開閉部とか、
針の先端を内側に折り返す凹部とか
いろんな工夫点があります(^o^)
これについて特許を取ろうとするとき、
いろんな構成要素について主張するのは
良いんですが、それら構成要素ごとに
優先順位を付けたいところです(^_^)
なぜかというと、
いろんな構成要素を付加すればするほど、
特許は取りやすくなりますが、
権利範囲は狭くなっていきます。
その一方で、権利範囲が
狭くなればなるほど、
競合他社が、権利を逃れやすく
なるんですね(>o<)
特許を取ろうとする段階なので、
特許を取るためにいろんな構成要素を
付加するのは良いんですが、
権利を取ったあとの競合他社に対する
牽制効果を考えると、
なるべく、権利範囲を広く取りたい
ですよね(^o^)
権利範囲を広くするためには、
構成要素をなるべく少なくする
必要があります(^_^)b
そのために、各要素ごとに優先順位
を付けるわけですな。
優先順位を付けるためには、
この試作品の本質的な部分はどこか?
ということを考える必要があります。
本質部分であればあるほど、
競合他社は、その構成要素を
外しにくくなって、権利範囲から
逃れにくくなるからですね( ̄^ ̄)ゞ
さきほどのホッチキスでいうと、
どの辺が本質部分なんでしょうかね?
機能からすると、最大のポイントは、
紙を束ねるということですね。
とするなら、こんな感じでしょう。
針を支持する支持部があって、
その針を紙に押し付けて
紙を貫通させる押し付け部がある。
もちろん、他にもいろんな構成要素が
あるのですが、紙を束ねるという
最大ポイントを満たすための
最低限の要素としては、
針を紙に貫通させるための機構、
ということになると思います。
そして、その下に、
針のスライド機構とか、
凹部とか、開閉部とかを
段階的に個別に付加していく、
ということになります。
これによって、抽象度を高いところから
低いところに整理してコントロールする
んですね(^o^)
このような抽象度のコントロールというのは、
なかなか訓練しないとできません。
試作品が目の前にあるほど、
抽象度を上げていくのが難しくなりますね。
ただし、試作品ができたときに、
目の前のモノに集中したあとは、
一旦引いてその試作品の
システムを俯瞰的に見ると良いですね。
俯瞰視して抽象度を上げる、
なかなか難しいですが、
意識するのとしないのとで違いますので、
なるべく意識してみてください(@_@)
それでは、また次回。
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●●今回のネオフライト奥義●●
・目の前の試作品に拘泥されるな!
・全体を俯瞰視しよう!
・抽象度を意識的にコントロールしよう!
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ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔
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