こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔です。
さて、前回、未来予測について
お話ししました(^0^)
今回は、アップルのお話し。
最近、アップル日本法人に対して、
特許訴訟で約3億円の支払いを命じた
判決が確定しましたね(°0°)
要するに、アップルが相手方に
約3億円支払うということです。
実際には、100億円の支払を請求してましたが、
結局、約3億円になりました。
さて、その相手方とは誰か。
これが、個人の発明家なんですね(゜∀゜)
個人がアップルに特許訴訟で勝つなんて、
大したものです。
アップルの対象製品は、「iPod」。
あのリング状の上を指でなぞって
画面を操作するヤツですな。
あれって、リングを軽く指でなぞると、
画面がスクロールされて、
リングの特定の位置を押すと
再生されたりするようになってましたよね。
ちなみに、特許の内容は、
ザッと言うと、こんな感じ。
・リング状にタッチ位置検出センサがあって、
・このセンサに沿ってプッシュスイッチがあって、
・プッシュスイッチを強く押すとオンオフが行われる。
まあ、かなりザックリですが、
こんな内容でした。
アップルとしては、当然反論しました。
反論要素としては、主として以下の2つ(^_^)v
・自社製品は、権利範囲に入っていない
・この特許は、そもそも無効である
まあ、特許の侵害訴訟としては、
必ずと言っていいほど主張する
典型的な反論要素です(^.^)
結局、裁判所は、この2つの
アップルの反論を退けましたな。
つまり、
・アップルの製品は、権利範囲に入ってる
・この特許は、無効ではない
と、裁判所が判断しました(゜◇゜)
特許訴訟では、一般的に、
無効の主張が、結構強力だったりします。
今回は、特許の内容を訂正したりして、
無効の主張をはね除けました。
そうなると、次の争点は、
いくらの損害が発生したか?
ということになりますね(@_@)
これについても、いろいろと攻防があったようです。
結局、以下の式で算出されることになりました。
・売上高×実施料率=損害額
売上高というのは、基本的にiPodの売上高ですね。
実施料率というのは、
特許権を持ってる人に対して
通常支払うべき率ですな。
この実施料率というのは、結構 幅があって、
いくらとは一律には決まりません。
なので、いろいろと攻防が生じるわけです(`´)
ちなみに、通常の実施料率は、
ザックリと3%などと言われることが多いです。
ただし、iPodのような分野では、
平成4年~10年の実施料率の平均値が、
5.7%となってますね(@_@)
裁判所は、双方の主張を聞いて、
最終的に、それら売上高と実施料率を決めました。
どれくらいの数値かは、分かりません。
判決文を見ても、2つの数値は伏せてありました。
結局、以下のようになりました。
・売上高?×実施料率?=約3億円
まあ、日常的な生活感覚としては、
3億円ってスゲ~、って思いますが、
特許の損害額として、この金額が高いか安いかは、
わたしにも分かりません。
実際には、100億円請求していたわけですからね。
それでも、個人が巨人アップルに対して、
最高裁まで行って、
最終的に勝訴したというのは、
金銭的にも気力的にも
スゴいことだと思います(°0°)
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●●今回のネオフライト奥義●●
・特許の力の一つが損害賠償だ!
・実施料率は、一律で決まるものではない!
・個人でも巨人に勝てる!
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今回の特許は、日本だけのものでした。
もし、アメリカで権利を取っていたとしたら、
話しがかなり変わっていたでしょうな。
まあ、個人で外国の特許を取るのは、
金銭的には、相当キツイですけどね。
そのときは、補助金などを使って
うまく外国出願したいところですな。
それでは、また次回( ^o^)ノ
ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔
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「特許専門の弁理士が、あなただけにコッソリ教える実践特許6つの秘訣!」PDF A4:53ページ