こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔です。
さて、今回は、3Dプリンタに絡んだお話し(^0^)
前回は知財権の侵害のうち、
間接侵害についてお話ししましたね。
今回は、3Dプリンタと間接侵害の関係のお話しです(^_^)b
間接侵害というのは、
特許の構成要素の一部の実施であっても、
侵害にしちゃいましょう、
というものでした(^.^)
この間接侵害が、なぜ3Dプリンタと関係するんでしょうかね。
こんな特許があったとしましょう。
「本体部と、取手と、フタを備えるコップ。」
いつもと同じですな(^_^;
3Dプリンタによって、このコップをプリントして
販売すれば、どうなるか。
それは、間接侵害ではなく直接侵害(*_*)
もちろん、3Dプリンタによって、
この「フタ」のみをプリントして販売すれば、
間接侵害になり得ますね。
でも、ここで言う「3Dプリンタと間接侵害の関係」というのは、
そういう場面ではないんです。
だって、その場合、3Dプリンタ特有の問題としては、
ちょっと弱いですからね(^_^)b
それよりも、「3Dプリンタと間接侵害の関係」のなかで、
3Dプリンタ特有の問題として新たに係わってくるのは、
3Dデータの流通の場面の方が大きいです(°0°)
3Dデータというのは、
「本体部と、取手と、フタを備えるコップ。」
ではありませんね。
単なる情報の集まりですから(*_*)
なので、3Dデータ自体は、
先ほどの特許に対して、直接侵害とはなりません(@_@)
でも、3Dデータの販売自体を侵害として抑えられないと、
特許の保護の実効性に問題が生じてくるかもしれません。
だって、これから、3Dデータの流通が増えて、
容易にマネできるようになる訳ですからね( ゜Д゜)
そこで、直接侵害は問えないまでも、
なんとか間接侵害として抑えられないか、
という要請が出てくる訳ですよ(・∀・)
それじゃ~、
「本体部と、取手と、フタを備えるコップ。」
をプリントアウトし得る3Dデータを検討してみましょうか。
3Dデータ自体は、特許品であるコップと部品という関係とは言い難い。
物理的な一部品ではないですからね(@_@)
なので、明確に間接侵害だ、とは言えないんですよね(ToT)
ただし、3Dデータは、
「コップを作るためにのみ用いられるもの」
とは言えそうです。
だって、そのコップのデータな訳ですからね(・o・)
ただ、3Dデータをパソコンで読み込むと、
何が出来上がるかというと、
特許品である「コップ」ができる訳ではなく、
「コップを作る装置」が出来上がるんですよね(゜ω゜)
この「コップを作る装置」によって、
特許品である「コップ」が生産されます。
3Dデータをパソコンで読み込むと、
ダイレクトに「コップ」ができる、
ということであれば、間接侵害は適用されやすいでしょう。
しかし、ここでは、
ダイレクトに「コップ」が生産されるのではなく、
一旦「コップを作る装置」が生産されてから、
その次に「コップ」が生産されるってことになりますね(@_@)
う~ん、こいつは、言ってみれば、
「間接の間接」
なんですよね。
こういう場合、間接侵害が適用されるのかは、
まだよく分かりません(>o<)
なので、このような3Dデータの販売が、
知財権の侵害となるかどうかは、
これからの判断ということになりそうです(・o・)
ただし、間接侵害の適用を容易にしようというのであれば、
特許の表現を工夫することはできるかもしれませんね。
たとえば、こんな特許にしてみます。
「本体部と、取手と、フタを備えるコップを製造する製造装置。」
実は、これなら、
3Dデータをパソコンに読み込むことによって、
特許品である「製造装置」が
ダイレクトに生産されることになりますよね。
なので、この場合には、
間接侵害の適用がより容易になるのではないかな(?_?)
以前も申し上げたように、
物の発明の場合、
その「物」だけでなく、「製造装置」や「プログラム」を
権利として抑えるという習慣が今までなかったんですね。
「物」の権利だけで事足りていたからです。
これからの新たな事態に対しては、もしかしたら、
「物」の発明であっても、
「装置」や「プログラム」として
表現する必要が出てくるのかもしれません。
まあ、今後の展開次第ってことになるでしょう。
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●●今回のネオフライト奥義●●
・3Dデータの流通は、直接侵害ではない!
・3Dデータの流通に対して間接侵害が適用されるかは今後の判断!
・「製造装置」や「プログラム」まで権利取得する必要が出てくるかも!
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「物」の発明であっても、
間接侵害を適用させるために、
「製造装置」や「プログラム」まで記載しなければいけないとなると、
結構大変になりますね~。
解釈だけでなんとかなるなら、そっちの方が良いかな(^_^;
それでは、また次回。
ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔
業界初の”エンタメ系”実践特許術!
「特許専門の弁理士が、あなただけにコッソリ教える実践特許6つの秘訣!」PDF A4:53ページ