第205回:ASEANの知財の状況は?Part2

 

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔です。

さて、今回も、ASEANのお話し。

前回、ASEANのマクロ経済を見てみました。

今回は、もう少し知財的な視点で見ていきましょうか。

前回も少しお話ししたように、

ASEANは、知財的にはまだまだこれからです( ^o^)ノ

ASEANの特許出願状況を見ると、

ほぼ右肩上がりと言っていいですね。

ただし、その出願の多くが外国人によるものです。

外国というのは、

日本、アメリカ、ヨーロッパです(*゚д゚*)

国ごとに差はありますが、

内国人による出願は、

だいたい10%~20%くらいです。

つまり、先進国が、いち早くASEAN地域に出願しており、

ASEAN各国の国内技術レベルが、

それにまだ追いついていない状況(T-T)

さらに、民間企業だけでなく、

ASEAN各国の国レベルの知財運営能力が

まだまだ追いついていないですね(ToT)

要するに、

「何だかよ~、

急に出願は増えたけどよ~、

何か技術レベルが高くてよく分かんないし~。」

って感じで、出願を審査する審査官もまだ育ってない。

そんなASEANの特許行政を支えるべく、

日本も結構応援してます。

ASEANの特許庁には、

日本に来て特許の実務を学んだ人が

結構いるそうです(^▽^)

さて、外国での知財を考える場合、

権利の取得の場面と、

権利の行使の場面を考えたいですね!(^^)!

まずは、権利の取得に関して。

先ほど申し上げたように、

特許庁の審査官に、

特許を審査する能力がまだまだ育っていません。

技術も分かって、法律も分かったりすると、

今なら、特許庁の審査官やるよりも、

もっと稼げる仕事があるので、

せっかく育てた審査官も、なかなか定着しないみたい(^^ゞ

なので、ASEAN諸国での特許は、

権利が下りるまでに相当時間がかかります。

5~6年は当たり前。

ヘタしたら10年なんてこともありそう(O_O)

何とか早くなるように働きかける必要があります。

例えば、修正実体審査といった制度があります。

シンガポールやマレーシアなどでは、

日本で特許が取れると、

それら日本の書類を提出すれば、

ほぽそのまま特許が取れます(*^o^*)

それから、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピンなどでは、

実際には、日本を含む先進国の審査結果を大いに参考にしています。

まあ、早く権利が取れるように、積極的にアクションを起こしましょう、

ってことですな(^Д^)

一方、権利の行使に関してです。

権利行使に関しても、

基本的には、かなり時間がかかります(^0^;)

だって、ASEAN諸国では、

特許の裁判なんて、ほとんどやったことなかった訳ですよ。

技術も難しいし、裁判官だって、なかなか裁けない。

なので、不慣れなせいもあり、本当に遅いです。

まあ、シンガポールは例外。

シンガポールでは、

先進国なみに早く対応してくれるようです。

弁護士費用などもかなりかかるので、注意したいですね。

そんな中、まだ使えそうなのは、

意匠とか商標ですかね(^。^)

そう、見れば分かるようなものです。

見れば分かるんだから、その判断も、

特許よりはぜんぜん楽ですよね。

中国などでも同じですが、

ASEAN諸国では、意匠や商標などを活用する

っていう意識は重要ですね。

 

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔

 

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