第202回:パテントマップとは?

 

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔です。

さて、今回は、地図のお話し。

特許の地図です。

特許の業界にいると、

こんな言葉をよく聞きます。

「パテントマップ」

なんだか、よくわからんですね~(^^ゞ

このパテントマップというのは、

特許情報を見える化したものです。

図表なんかで、見易くまとめたものですね(^○^)

まあ、「パテントマップ」なんて言うと、

ちょっと格好いい響きがありますよね~(^ー^)

なもんで、弁理士とか知財関係者の間で、

やたら好んで使われてるような気がします(^0^;)

ただし、「パテントマップ」って、

ついつい目的となりがちです(゚o゚;

そう、「パテントマップ」って

作るのに結構時間がかかるんです。

それに、アウトプットも図表で表現されていて、

見栄えが良い。

なので、「パテントマップ」を作ることが

特別なスゴいことで、

それ自体が目的となってしまってる感が結構あります(T.T)

しか~しである。

そこは、はき違えちゃイカンですな(`Д´)コラ

「パテントマップ」を作る目的は、

「パテントマップ」を作ることではなく、

状況を分析・検証することです。

つまり、分析・検証のための一つの考え方にすぎない

ってことですな(^_^)b

じゃ~、何を分析するのか。

例えば、知財の創出の場面で考えてみましょう。

まあ、こんな場面。

■ある技術分野について、他社が手を付けていないなら、

他社に先駆けて開発に着手したいんだけど。

■ある技術分野の技術レベルを把握して、

今から参入して勝てるかどうか判断したいな~。

■競合の開発状況を把握して、自社の開発の方向性を決めたい。

■ある技術分野について、すでに権利が取られているなら、

開発が無駄になるので、今から何らかの手当てをしておきたいね。

ざっと、こんな感じでしょうか。

順番に見てみましょう。

■ある技術分野について、他社が手を付けていないなら、

他社に先駆けて開発に着手したいんだけど。

→こんなとき、技術分類を頼りに特許情報を収集すれば、

どんな技術分野に誰が進出しているかが分かります。

これらをマトリックスなどで表せば、

他社が手を付けていない、空白の技術分野が見つかるかもしれません(O_O)

■ある技術分野の技術レベルを把握して、

今から参入して勝てるかどうか判断したいな~。

→これも同じですね。

技術分類を頼りに特許情報を収集して、

具体的な技術内容を読んでいけば、

その分野の技術レベルが分かります(^o^)

■競合の開発状況を把握して、自社の開発の方向性を決めたい。

→技術分類を頼りにして、誰が進出しているかが分かります。

発明者を頼りに収集すれば、開発チームの規模なども分かります。

出願日を時系列に並べれば、

いつ誰が何件出願しているのかが分かります。

内容を読めば、開発内容やレベルも分かりますね(゚Д゚)

■ある技術分野について、すでに権利が取られているなら、

開発が無駄になるので、今から何らかの手当てをしておきたいね。

→技術分類を頼りにして、

誰がどんな権利を取っているかが分かりますね。

もし、自社が開発しようとしている技術が、

他社の権利に抵触するのであれば、

その権利を無効にする資料を収集しておいたり、

実施契約の可能性を検討したり、

はたまた開発自体を早期に中止したり、

いろんな選択ができます。

こんな具合に、特許情報を図表化して

「パテントマップ」を作ることは、

戦略的な判断をするときに、結構使えます。

ただし、「パテントマップ」って言ったって、

単なる情報をまとめたものにすぎません(ーー;)

なので、本質的に重要なのは、

「パテントマップ」を作成することではなくて、

そこから何が読み取れるか、

といった論理的な思考・分析能力ですね(^o^)

「パテントマップ」という言葉に踊らされずに、

何のために一生懸命図表化してるのか、

という点を、忘れないようにしましょう!(^^)!

 

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔

 

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