こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔です。
さて、今回は、マイナー知財のお話し。
メジャー知財といえば、
特許、実用新案、意匠、商標、著作権
といった感じでしょう。
しかし、これらメジャー知財の名声には及ばないものの
陰の実力者といってもいいような、マイナー知財があります。
「人斬り以蔵」と称された土佐の岡田以蔵みたいなもんです。
その名も、不競法(ふきょうほう)。
不正競争防止法ってやつです。
以前も、この不競法ってヤツで、
損害賠償1億円越えの支払い判決が出されています。
不競法ってヤツは、ちょいと実体が捉えにくいですね。
もっと別の言い方を考えれば良いのに、
と思うのだが、不競法と言うのが一番シンプルで分かり易いんです。
まず、メジャー知財には、権利というものが存在しますよね。
特許権とか、商標権とか。
なので、特許権を侵害した者に対して、
その特許権を行使する、ということです。
意味はよく分からなくても、言葉上は明確なんです。
でも、不競法の場合、~権というものが存在しません。
なので、~権の侵害というよりも、
不競法に基づいて、相手の製造販売を止めさせる、
といった感じ。
なので、不競法を知らないと、なんかよく分かんな~い。
それでは、不競法の正体です。
不競法には、いろんな側面があるのですが、
その中の一つに、
「メジャー知財の補完」
といった側面があります。
メジャー知財の場合、~権というものがあるので、
明確になるというメリットがあるのですが、
時としてそれはデメリットにもなります。
つまり、~権を持っていないと、
侵害者に対して、製販を止めさせることができない訳です。
それに対して、不競法の場合、
~権というものを必要としないので、
自社製品の侵害者に対して、
条件さえ当てはまれば、
製販を止めさせることができます。
これは、結構大きい効果ですよね。
自社製品が売れた→侵害者が現れた→でも特許取ってない
となると、メジャー知財ではお手上げです。
そこで、人斬り以蔵の登場です。
特許がなくても、不競法を使えば、
侵害者を撃退することができるかもしれません。
ただし、不競法にもデメリットはあります。
それは、~権がないため、そもそも不明確なので、
実際の裁判で証明するのが大変だということです。
なので、理想を言えば、メジャー知財で堂々と勝負しつつ、
岡田以蔵を従えて、総力戦で勝負することでしょう。
ただし、どうしてもメジャー知財がない場合には、
闇の人斬りを使っても良いかもしれません。
それでは、また次回。
ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔
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