第160回:中国の知財事情とは?Part2

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔 です。

さて、今回は、前回に引き続き、中国の知財事情のお話し。
前回、中国は、近い将来、要注意の知財攻撃国になる
と、予想しましたよね。

あくまでも予想ではあるのですが、
この予想は、かなりの確率で現実のものに
なってくるのではないかと思っています(^_^)b

現在、中国の知財で注目すべきは、
まずは、実用新案でしょうね。

中国の実用新案は、結構怖いです(>o<)
中国企業が、フランス企業を訴えて、
損害賠償約50億円の第一審判決を得たのは、
実用新案の権利行使によるものなんですね。

日本では、実用新案というと、
特許の補完みたいな印象があります。

2010年の出願件数で見ても、
日本では、特許出願が約34万件であるのに対して、
実案出願は、約8,500件。
特許と比べると、かなり少ないですよね。

一方、中国では、
特許出願が、約39万件、
実案出願が、約40万件。

そう、実案出願は、特許出願よりも
多いんですね。

しかも、この3年間で、約2倍弱に増えてます(゜o゜;
中国の実用新案の特徴としては、
まず、権利のハードルがかなり低いことがあげられますな。

日本では、権利行使されると、権利の無効を主張して、
その主張が結構通ったりします。

でも、中国では、そもそも権利のハードルが低いので、
権利無効の主張がなかなか通らない。

つまり、権利者に有利なんですね(・ω・)
これからの中堅・中小メーカーとしては、
中国の実用新案対策として、
こんなことが考えられるでしょう。

まずは、守りとしては、事前調査ですな。
中国での製造・販売の前に、特許や実用新案の
徹底調査をした方がいいですね。

一方、攻めに関して言うと、
権利者が有利というのは、
外国メーカーにとっても同じこと。

つまり、攻めとしては、
日本では無理だと思われるようなアイデアでも、
中国での実用新案権取得は、
積極的に行っていった方がいいということですね。

中国では、ほぼ100%の模倣品が出回りますから、
権利範囲としては、かなり狭くなったとしても、
実用新案権取得は大いにアリですな。

今後の経済大国、中国の知財状況も、
今後、要注意ですな(・o・)

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔

 

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