代表弁理士 宮川 壮輔
先日、かっぱ寿司を運営する
カッパクリエイトに対して、
罰金3,000万円の有罪判決が
出されました(`ε´)
今回の判決は、
民事の損害賠償ではなく、
刑事によるいわゆる罰金刑ですね。
さらに、カッパ社という法人に対して
出された罰金刑です(・o・)
なぜこうなったかというと、
事件はこんな感じ。
はま寿司の元商品企画部長が、
はま寿司のデータ等を持ち出し、
カッパ社がそれらデータを受け取った、
ということ(^_^)b
つまり、不正競争防止法上の
営業秘密を不正に取得し、
その営業秘密を使用した
ということですね(@_@)
不競法には、営業秘密について
こんな定義規定があります。
●不競法2条6項
「
この法律において「営業秘密」とは、
秘密として管理されている生産方法、
販売方法その他の事業活動に有用な
技術上又は営業上の情報であって、
公然と知られていないものをいう。
」
営業秘密と簡単に言いますが、
これは法律の判断ですので、
かなり精緻に判断されることになります。
つまり、はま寿司から取得されたデータが、
この定義にある「営業秘密」に
該当しなければ、
それは不競法上の「営業秘密」には
当たらないわけで、
その場合は、罰金刑にはなりません。
一般的になんとなく認識されている
「営業秘密」ではなく、
不競法上に定義された「営業秘密」なのか、
ということですねd(^_^o)
ですので、まずは、
取得されたデータが、
不競法上の「営業秘密」に該当するか否か、
ということが、重要な論点になりますね。
不競法上の定義から、
さらに抽象度を下げると、
「営業秘密」に該当すると言えるためには、
以下の3つの要件が必要、
と解釈されています(^_^)b
(1)秘密管理性
秘密として管理されていること
(2)有用性
有用な技術上または営業上の情報であること
(3)非公知性
公然と知られていないこと
これら3つの中でも、
特に重要な論点となり易いのが、
(1)秘密管理性ですd(^_^o)
では、秘密管理性とはどういう状態
なんでしょう?
さらに抽象度を下げると
こんな解釈となっていますφ(.. )
・その情報が客観的に見ても
秘密として管理されていること
・会社側がその情報を秘密であると
単に認識しているだけでは不充分
これでも、なかなか分かりませんよね。
もう少し具体的に例示すると
こんな感じです(^_^)b
・データへのアクセスが制限されていること
・データへのパスワードの設定
・営業秘密であると表示していること
・秘密保持契約による対象の明確化
このように、秘密情報として管理していることが
客観的に見ても分かるようになっている
必要があります(@_@)
どうでしょう?
不競法上の「営業秘密」となるハードルは、
意外と高いと思う人が多いのでは
ないでしょうか?
「営業秘密」が持ち出されたので、
“訴えてやる”となったとしても、
一般的なレベルでの「営業秘密」では、
おそらく秘密管理性を満たさずに、
不競法上の「営業秘密」とは
認められないでしょう(>o<)
ここからの教訓としては、
ある情報を重要な機密情報と
社内で認識している場合、
その機密情報に対して、
不競法上の「営業秘密」となるように、
客観的な秘密管理状態を
作って維持することが重要です、
ということですね(^_^)b
それでは、続きはまた次回。
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●●今回のネオフライト奥義●●
・不競法上の「営業秘密」!
・特に秘密管理性が重要!
・秘密管理状態を作って維持しよう!
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